こんにちは!アシバッチ事務局です。毎日の足場作業、ヒヤリとした経験はありませんか? そのヒヤリをなくすために、足元の安全を守る「巾木」の役割と、最新の設置基準について、分かりやすく解説します!

序論:巾木が担う重要な安全機能

足場作業は建設業界において不可欠ですが、高所での作業は常に危険と隣り合わせです。この危険を軽減する重要な安全部材の一つが「巾木」です。巾木は単なる足場の一部材ではなく、作業員の安全と第三者への危害防止に直結する重要な役割を担っています。本記事では、足場の巾木について、その役割から設置基準、種類、そして最新の動向まで、現場で活躍する足場職人の皆様に必要な知識を解説します。

巾木の基本的役割と重要性

巾木は主に二つの重要な機能を持っています。一つ目は作業員の墜落防止です。足場の作業床端部に設置された巾木は、作業員の足が誤って作業床から外れるのを防ぐ物理的な障壁となります。特に作業に集中している際や足元が不安定な状況では、巾木の存在が墜落リスクを大幅に低減します。

二つ目は落下物防止です。工具や資材が作業床から落下し、下方にいる作業員や第三者に危害を与えるのを防ぎます。小さな工具であっても高所から落下すれば重大な事故につながる可能性があり、巾木はそのような危険を未然に防ぐ上で不可欠です。また、作業床を整理整頓し、材料が転がり落ちるのを防ぐ効果もあります。

法令に基づく巾木の設置基準と要件

日本の労働安全衛生法規では、巾木の設置が明確に義務付けられています。労働安全衛生規則第563条によると、高さ2メートル以上の作業床を有する足場(一側足場を除く)において、墜落防止および落下物防止のための措置を講じることが必要です。

具体的には、落下物防止を目的とする場合は最低でも高さ10センチメートル以上の巾木が必要です。一方、作業員の墜落防止を主な目的とする場合は15センチメートル以上の高さが求められます。15センチメートル以上の巾木は、墜落防止と落下物防止の両方の役割を果たすことができます。

2015年の法改正では、枠組足場における墜落防止措置として、交差筋交いに加えて、高さ15センチメートル以上40センチメートル以下の桟、または高さ15センチメートル以上の巾木を設置することが義務付けられました。一般社団法人仮設工業会も、巾木の構造や設置に関する詳細な基準を定めています。

現場での巾木選択と正しい設置方法

材質による選択

巾木の材質は主に以下の3種類があります

  1. 金属製巾木(鋼製またはアルミニウム製):強度と耐久性に優れており、錆びを防ぐために亜鉛メッキなどの処理が施されることが多いです。
  2. 木製巾木:比較的安価に入手できますが、腐食や損傷がないか定期的に点検し、滑り止めの観点から樹皮を取り除く必要があります。
  3. アルミ合金製巾木:軽量で錆びにくく、取り扱いが容易です。近年では、より軽量で高強度な材料の開発が進んでいます。

形状による選択

  1. 第1種巾木(I型巾木):直線状の形状で、主に足場の建地や手すり柱に取り付けられます。取り付け、取り外しが比較的容易です。
  2. 第2種巾木(L型巾木):L字型の形状をしており、水平部が作業床に接することで、床面との隙間を塞ぐ役割も果たします。水平部には滑り止め加工が施されている場合があります。
  3. 伸縮巾木:長さを調整できるタイプで、様々なスパンの足場に対応できます。

正しい設置のポイント

巾木の取り付け方法は足場の種類や巾木の形状によって異なりますが、一般的には専用の金具やロックピンなどを用いて、足場の支柱や手すりなどにしっかりと固定します。取り付け部が一体構造のものや専用の別部品のものは、使用中に容易に外れない構造であることが求められます。

巾木と作業床の間には、隙間を極力小さくすることが重要です。仮設工業会の基準では、第1種巾木(I型)の場合、本体と床面の隙間は水平方向、垂直方向ともに1センチメートル以下、第2種巾木(L型)の場合、床面と水平部の垂直方向の隙間は1センチメートル以下とされています。規定の長さを超える巾木の隙間は塞ぐ措置を講じる必要があります。

総合的な足場安全対策における巾木の位置づけ

巾木は足場の安全性を確保するための重要な部材の一つですが、他にも様々な部材や対策と連携して機能します。手すりや中桟は墜落そのものを防ぐのに対し、巾木は足元の滑りや工具の落下といった、より具体的な危険を防止します。

安全ネット、足場板、墜落制止用器具(安全帯)なども含めた総合的な安全対策の中で、巾木の役割を理解し、適切に設置することが大切です。これらの部材が適切に組み合わされることで、より安全な作業環境が実現します。

まとめ:巾木設置の確実な実践を

足場における巾木は、作業員の安全確保と落下物による災害防止に不可欠な安全対策です。労働安全衛生法規や仮設工業会の基準に従い、適切な高さ、材質、取り付け方法で巾木を設置することが、安全な作業環境を実現する上で最も重要です。巾木の不適切な設置や未設置は、重大な事故につながる可能性があり、法的責任も問われることになります。

日々の点検において、巾木の設置状況を確認し、損傷や取り付けの緩みがないか注意を払うことも大切です。安全は細部にこそ宿ります。巾木の正しい設置と維持管理を徹底し、現場の安全文化の向上に貢献しましょう。


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