こんにちは！アシバッチ事務局です。ローリングタワーの便利さは抜群！でも、安全対策を誤ると…事故につながることも。 本記事を読んで利便性と安全性を両立させるための知識を身につけましょう！

はじめに

移動式足場（ローリングタワー）は、その利便性から建設現場の屋内作業において欠かせない設備となっています。分解せずに容易に移動できる特性は、塗装、左官、設備工事など作業範囲を頻繁に変更する必要がある現場で高く評価されています。しかし、この利便性は適切な安全対策なしには事故リスクを高める要因ともなります。本記事では、屋内環境における移動式足場の安全な利用と移動のための重要ポイントを解説し、足場のプロフェッショナルとして知っておくべき実践的な知識を提供します。

屋内での移動式足場選択の重要ポイント

屋内作業に最適な移動式足場を選ぶことは安全性と作業効率に直結します。屋内環境では以下の種類が特に適しています

  • 折りたたみ式移動式足場：コンパクトに折りたたむことができ、運搬や保管が容易なため、狭い屋内空間での作業に最適です。
  • 単幅足場：幅が狭いプラットフォームを持ち、通路や限られたスペースでの使用に適しています。ドアや廊下も容易に移動できます。
  • アルミニウム製移動式足場：軽量でありながら強度が高く、移動が容易で錆びにくい特性を持つため、屋内作業で特に重宝されます。

選択の際は、天井高、通路幅、床面の耐荷重、出入り口のサイズなど、作業場所の特性を十分に考慮する必要があります。また、日本工業規格では移動式室内足場を「第一種」（脚柱と脚輪がそれぞれ4つ以上）と「第二種」（脚柱4つ、脚輪2つ）に分類しており、作業環境に応じた適切な種類を選択することが重要です。

屋内移動時の安全対策

移動式足場の屋内での移動は、特有のリスクを伴います。以下の対策を徹底することで、安全な移動を実現できます

1. 移動前の確認事項

  • 作業者と資材の降下：移動前に足場上の作業者や資材をすべて降ろす必要があります。
  • 作業床の高さ調整：作業床を可能な限り低い位置まで下げます。
  • 車輪ロックの解除確認：移動前に車輪のロックが解除されていることを確認します。
  • 経路確認：移動経路上の障害物（配管、照明など）や床面の状態（凹凸、穴、ゴミなど）を事前に確認します。

2. 床面保護と経路の準備

屋内環境では床面保護が特に重要です

  • 養生材の活用：フローリング、タイル、カーペットなどのデリケートな床面では、荷重を分散させ損傷を防ぐために、養生シートや板を敷きます。
  • ノンマーキングキャスターの使用：跡がつきにくいキャスターを選択し、床面への影響を最小限に抑えます。
  • 障害物の除去：出入り口、敷居、床面の段差などに特に注意し、必要に応じて仮設スロープなどを設置します。

3. 移動中の注意点

  • 適切な力の加え方：手動で移動させる場合は、転倒を防ぐため、可能な限り低い位置（支持面から1.5メートル以内の高さ）で力を加えます。
  • 慎重な速度コントロール：予期せぬ障害物や床面の変化に対応できるよう、ゆっくりとした速度で移動します。
  • チームワーク：特に大型の足場の場合は、移動を制御するために十分な人数を配置し、明確なコミュニケーションを取ります。

法規制と安全基準の遵守

移動式足場の安全な使用には、関連する法規制や安全基準の理解と遵守が不可欠です

  • 厚生労働省の指針：移動式足場の安全基準に関する技術上の指針に従い、転倒や墜落災害を防止します。
  • 仮設工業会の安全基準：業界団体が発行する基準に準拠した製品を選択し、指定された方法で使用します。
  • 製造メーカーのガイドライン：使用する移動式足場の製造メーカーが提供するマニュアルや安全ガイドラインを参照し、厳守します。

特に重要なのは、作業床の最大使用荷重の遵守、足場の改造禁止、定期的な点検、作業者への安全教育などです。これらは労働安全衛生法の関連規則にも明記されており、法的な要件としても重要です。

事故事例から学ぶ教訓

過去の事故例は貴重な学びの機会となります

  • 移動中の転倒事例：ある現場では、不安定な3層の枠組足場に作業者を乗せたまま移動したところ、バランスを崩して転倒しました。作業者を乗せたままの移動は絶対に避けるべきです。
  • 床面の凹凸による横転：床面の凹凸が原因でローリングタワーが横転した事例も報告されています。移動前の床面確認の重要性を示しています。
  • 車輪ロック関連事故：ローリングタワーの脚輪のストッパーをかけ忘れたために、足場が動き出し、飛び降りた際に怪我をした事例もあります。作業開始前の車輪ロック確認は必須です。

これらの事例から、「作業者乗車禁止」「床面確認の徹底」「車輪ロックの確実な操作」といった基本的な安全対策の重要性が再確認できます。

まとめ

屋内での移動式足場の安全な利用と移動には、適切な足場の選択、綿密な移動計画、床面保護や障害物への配慮、そして安全基準の遵守が不可欠です。特に移動時は、作業者や資材を降ろすこと、作業床を低くすること、車輪ロックの確認、周囲の状況把握など、基本的な安全対策を徹底することが重要です。これらの知識と実践が、屋内作業における効率性と安全性の両立につながります。足場のプロフェッショナルとして、常に安全を最優先に考え、適切な知識と技術を持って作業に臨みましょう。

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